「8人目のオカルト遊び人は失恋死させよう」とか言い出した、プレイヤーに人の心がないシリーズです。
シムを意図的に死なせています。苦手な方はご注意ください。
「マーフィーベッドによる圧死」で恋人相手にHPドレインし出す迷惑系ゴーストを予定していたのですが、せっかくなら失恋して貰うことにしました。
どちらにせよ人の心が行方不明。
なお、猫は最後まで愛されます。システムが何をしてもプレイヤーが守る。
二人はいつも一緒だった
彼の名前は八俣 蓮之助(ヤマタ レンノスケ)。
陰気で猫好きな彼は愛猫、大福丸に顔を舐められることをご褒美だと信じて疑いません。
もう一人のシムは十文字 逸彦(ジュウモンジ イツヒコ)。
オタクで本の虫の彼は、心霊好きなレンノスケとオカルト談義で盛り上がっていました。
家が近所であり、互いに片親に育てられている境遇からか。
二人は学校が終わるといつも一緒。楽しいことも悲しいことも半分こで共有していました。
『ほら見てよレンノスケ』
『マジかよ!スラニにUFO墜落の痕跡?せめてユキマツに落ちてくれよ~見に行けないじゃんか!』
ティーンに育ち、体の成長と共に関心が広がっても二人の友情は変わることがなく
友情が恋情に変わっても、二人は当然のように受け入れていました。
互いの親も二人が同性であることすら一瞬忘れる程に自然体で、情熱的な恋人達だったのです。
きっと何があってもこの恋人たちは乗り越えられるだろう。
彼らの友人達がそう信じ、疑わない程に強い絆で結ばれていました。
ですが、イツヒコが母の死を受け入れられず吸血鬼として不老の身になった日。
二人の道は歪み始めました。
老いを受け入れた君と遠ざけた私
『なんだイツヒコ。僕よりも若い体の癖にもうウフフ疲れか?』
『し……失礼な。そもそも私は頭脳派なんです。体が資本だった貴方と一緒にしないで下さい』
(健康を保っているように見えても手に背骨が当たる……レンノスケ、なぜ貴方は私のように老いを遠ざけて下さらなかったのですか?)
自律で3~4回ほどクローゼットで連続ウフフした後、死への恐怖を抱くイツヒコ。
プレイヤーは貴方達の自律ウフフがいつ終わるのか分からず、密かに戦慄していましたが?
いくら星のスタミナ持ちとは言え、レンノスケは最期の日が近いシニアなんですよ?
そんなに何度もウフフしていたら若くたって死期が近付きますって。
『レンノスケ、貴方が居なくなるなんて耐えらえれません……貴方が居ない夜なんて昼と変わらない……控えめに言って地獄ですよ』
『おーちつけって。お前の嫁さんは心霊好きなんだぞ?あの世のシステムだって予習済みに決まっているだろ。だから自分の嫁を信じて安心してくれよ』
シニアに「死の恐怖について話し合う」が出ないという話を聞いていたので、この後レイブンウッドに行こうと思ったのですが身内で話が終わりました。
因みにイツヒコが攻めです。
ダーリン同士ならどちらもダーリンで済む気がするんですが、旦那だとまた話が違ってくるので困ります……日本語難しい。
その後あっさりとレンノスケは死んでしまいましたが、転生先の指定をする代わりに冥界の死神局で働く契約を死神と取り付けました。
別にそんなことしなくても魂の旅を最後まで進めれば転生はできるのですが、発売前のティザーPVがそんな雰囲気だったので、いつか話に使いたかったんですよ。
『転生して戻ってきたシムが貴方と同じシムだと思えと?……そのシムには幼い私と公園で遊んだ記憶があるんですか?』
『イツヒコ……それは……』
『私とお揃いのミサンガを交換して、高校をサボって新刊を買いに行って、一緒に叱られたシムは貴方だけなんです!私のレンノスケは、今ここにいる貴方だけなんですよ……!!なのに、こんな透明になって、体温までなくして……このお馬鹿!!』
『悪かったよ……でも、僕は老いの運命に抗いたくなかったんだ』
イツヒコが吸血鬼に変わったのと丁度同じ頃、レンノスケは魔法使いになっていました。
いざとなれば錬金術で寿命を止めることだってできたのですが、薬の力で寿命を止めるのは彼にとって少しばかり不健康で不自然に見えました。
『今の僕と君が築いた思い出を、転生してきた僕とも築き直して欲しい。同じ思い出は作れないことは分かってる。でも、イツヒコと僕なら同じくらい素敵な思い出が作れる自信があるんだ』
『貴方は……ほんっっとうに変なところでポジティブですね。陰気な癖に。オカルト好きな癖に』
『オカルト好きは関係ないだろ!』
すれ違いは既に起きていましたが、それを二人は気付かない振りで日常に戻ってしまいました。
イツヒコは未来シム研究所での職務がありましたし、レンノスケも新しい仕事を覚えていかねばなりません。
なにより、イツヒコは「転生後の未来」という不確定な未来に縋っていないと、最愛のシムを失った深い悲しみから立ち直れそうになかったのです。
(正直、このローブで大鎌を手にできることに浮かれているんだ……これが死神の大鎌!)
因みに一人で出勤させた時、猫耳フードのオッサンが出勤していました。
心霊愛よりも猫愛が勝った様ですね。お説教を受けていないと良いのですが。
“ゴーストが建物をメチャクチャにして大騒ぎを起こしています!”
ヘイ!こらギドリー!!貴方、立場が逆!そこはテンペランス姐さん呼びましょうよ!
(寿命の時間つぶしに呪われた館で生活していたため、両者共にホームレスシムとして生成されている)
『ギィードリィ~……霊能探偵の先人として尊敬していたのに!なにしてんだアンタは!!』
『アッいやいやいや少しばかり誤解があるな!霊能探偵として、悪霊の気配がする屋敷を放っておけなかったのだよ!ただ~そのだね。これがレディのベッドだと思ったら体が勝手に』
『なにが誤解だ!!完全に事案じゃないか!しばらく冥界で反省しておくんだね!』
あと多分、そのベッドは女子のものではないと思います。
一緒のベッドで寝ていたら大福丸に起こされた日もありました。
この子、なかなか躾を聞いてくれません。
レンノスケは顔だけでなく、存在すら舐められているようです。
レイブンウッドのファミリーデーにお邪魔した時、
ゴーストでも遺言書が書けないか、相談してみようと思って足を延ばしたのですが、弁護士がブラック氏だったのでレンノスケは異国のお祭りを楽しむだけに留めておきました。
不審なシムに大事な遺言は任せられません。
信じたが最後。個人情報を抜かれそうです。
レンノスケが死神の右腕として認められた頃、既に魂の道も最後まで進んでいました。
後は自分の意思でベイフル・ボグに行くのみです。
しかしゴーストの顔なしフード、地味に怖い。
『死神様、私は次の生に進もうと思います。短い間でしたが、貴方様のお手伝いができて光栄でした』
『そうか。もうその時か。優秀な者ばかりが辞めていく……あの約束の話であろう?分かっている……』
『転生の手引きまでは約束しよう……だが、その後まで私は確約できん。次のお前次第だな』
『……』
『ええ……分かっています』
本当はレンノスケも少しばかり転生という手段に不安を抱えていました。
科学が発展し、男性同士でも子どもの作れるこの現代で、おしどり夫夫だった二人が子どもを作らなかったのにも理由があったからです。
赤ちゃんを歓迎できないシムだっているのです
『うっ……大福丸の傍に現れるなんて……歯が揃う前から猫が好きだったのでしょうか』
『レンノスケ……ですよね……?』
(レンノスケなら愛せるかもしれない……と思った自分が憎い!なんだこのケダモノは……私が抱き上げた瞬間泣き出したぞ!?)
イツヒコはオタクで、本の虫で……そして、子ども嫌いなシムでした。
お気楽特質により緊張こそしませんが、抱っこ嫌いになったレンノスケのギャン泣きを受けて表情筋が仕事を放棄しています。
『やっ!』
『貴方、何なら食べるんですか……ハハッ汚い。あまりに汚い……』
転生してきた乳児は初めての食事や公園以外のマイルストーンは全て解放済み。
フィンガーフードで怒涛の好き嫌いを発揮され、残りのバナナスライスは好きか分からないとのこと。
好物か確認する前にイツヒコが我慢の限界を迎え、外のゴミ箱を蹴りに行ってしまったことにより、レンノスケの食事タイムは強制終了となりました。
子供嫌いの緊張ムードレットをお気楽特質で消した弊害により、イツヒコは急に怒り出す危険なシムと化している。
『にゃーん、にゃんにゃん』
『おへんじ、くだしゃぁい……』
幼児に成長させた後もレンノスケは自発的に大福丸を構いに行っていました。
爆速で想像力とおまるスキルだけを上げて成長です。
(ああ、もう私の知っているレンノスケと瓜二つだ……でも、このシムは私を愛してくれたレンノスケじゃない……子どもは苦手なんだ。無邪気?無垢?無知の間違いだろう!)
イツヒコは二人で撮った写真を全て隠していました。
二人と一匹で集めたコレクションだけは残してあります。
ですが、二人が友情を深め、愛し合った証だけは何者にも触らせたくなかったのです。
『ただいま!なんだよ~大福丸、ボクをお出迎えしてくれたの??可愛いなぁお前は!』
迷った挙句、心霊好きを付けたのにレンノスケはどの世代でも大福丸が大好きです。
『イツヒコ兄さん、大事な話ってなに?』
『例えウゲッと思っても、この話だけは最後まで聞きなさい。いいですか?好きな子が見つかっても、決してなんの準備もなくウフフなどしてはいけませんよ』
『ちょっまっ兄さん!!そういう話は……(ゴニョニョ)』
『大事な話なのですよ。貴方はもうティーンです。恋愛感情というものも出てくる時期でしょう。ですが、衝動的に動いてはいけないこともある。それを教えるのも保護者である私の役割なのです』
そう口にしながら、イツヒコは自分以外のシムに恋をするレンノスケを想像しようとして、不快感から思考を止めました。
かといって、おむつを替えて絵本を読んで寝かしつけたシムに以前のような愛し方ができるかと言うと
(無理だ……全くピンと来ない……息子も反応しない……)
少しも恋愛感情が湧いてきません。
突発的に外のゴミ箱を蹴りに行く変な癖こそありましたが、イツヒコは子供が嫌いであることを隠し通し、レンノスケを育て、愛していた……と思います。
ただ、常に顔が死んでいましたが。
転生したレンノスケに優しい笑顔を向けているSSが一枚も残っていませんが。
『いつまで自撮りしている気です。今日は貴方のお誕生日ですよ』
『やった!もしかして、さっきのハンバーガーって』
『ええ、貴方のお誕生日を祝うために焼いたケーキです』
焼き直しが面倒で乳児時代から世帯の所持品として永久保存し、使い回していますが焼きたてホヤホヤの鮮度を維持していますよ。
『あの、さ……前から思っていたんだけど。僕とイツヒコ兄さん、前にも会っていない?時々、僕と同じ視線に立っている兄さんを夢に見るんだ』
『気のせい……ではないでしょうか。私は遠縁の親戚の子を引き取っただけです。引き取るまで貴方と会ったこともありません』
『そっか……』
子供嫌いに子どもを預けるなんて、なんと鬼畜な親戚でしょうか。
(イツヒコ兄さんのことは尊敬してる。でも、夢の中の彼みたいに優しくないんだもの……なんでもないのに優しい目を向けてくれて、温かな笑顔を向けてくれる彼に会いたい。どこに居るんだろう)
(成人したらもう私には彼にあれこれ言う権利はない……どうしたものか)
複雑な想いを抱え、イツヒコはレンノスケが成人する姿を眺めていました。
元マッドサイエンティストの誤った愛し方
『他人が駄目で自分も駄目。ならば自分を増やして愛させれば良い』
誕生日の夜。
レンノスケが寝ている間、イツヒコは昔作ったクローン装置で自分を複製しました。
(本当に私が増えた……こうしていざ目の当たりにすると不気味だな……)
プレイヤー的にも指示が出しにくいので少し服装を変えました。
『最初に説明したことは分かっていますよね?』
『もちろんだオリジナル。私はレンノスケの恋人を勤めれば良いのだろう?』
『口調も真似なさい。私は愛するシムにそんな喋り方をしません!』
クローン体はウェズリーという名前が与えられていました。
ウェズリー感はありませんが、黒い着物の方がウェズリーです。ウェズリー感とは。
クローン体の赤い瞳にイツヒコは不安を覚えていましまが、念入りに自分の癖や喋り方を教え込みレンノスケの待つ我が家に帰りました。
『初めまして。貴方がレンノスケですか?聞いた通り大変可愛らしい方だ』
『えっあっ、あの……あ、ありがとう……貴方も素敵?ですよ(誰?!)』
産まれて初めて受ける誘惑と、育て親そっくりのシムにレンノスケは困惑しつつも満更でもありません。
なによりも優しそうな眼差しが、夢の中でだけ会える彼ととてもそっくりなのです。
『僕、誰からの誘惑も受け入れる軽薄なシムじゃないんだ。貴方に褒められたから、ついデレデレしてるだけ!本当はチューリップの花言葉が似合う誠実なシムなんだよ(多分その筈!)!』
『はなことば……?ああ、フラワーアレジメントか(邪魔だ……後で捨てるか)ありがとう』
唐突な誘惑を受けいれてしまっては軽薄な男だと思われるかもしれない。
レンノスケは慌てて作ったフラワーアレジメントにチューリップの香りを付け、プレゼントしました。
人生で初めて抱いた恋愛感情と、育ての親と瓜二つなのに全く違う眼差しを受け、レンノスケは自分でも良く分からない混乱を起こしていたのです。
さて、ここからプレイヤーの迷走が始まります。
ウェズリーは意地悪で高慢ちきなクローンシム。
オリジナルと似ているのは外見と子供嫌い特質だけです。
ですが、友情と恋愛ゲージをマイナスにしてもレンノスケの恋愛ソーシャルは全て通る始末。ユルユル過ぎる。
色々と手を変え品を変え、最終的に迷いつつ一度MCCCでレンノスケとウェズリーの関係を削除。
これでウェズリーは誰から誠実の香りの付いたフラワーアレンジメントを貰ったのか、分からなくなりました。
誰の愛を受け入れれば良いのか分からないので、誰もデートに誘えず、誰にも誘惑もスキンシップもできないシムの完成です。
控えめに言ってかわいそう。
では、こんな可哀想なウェズリーが恋愛ソーシャルを受けるとどうなるのでしょう?
『はぁ?電話番号?そんなもの教えられて私にどうしろって言うんだ?スマホの容量が無駄になるだけじゃないか』
『え……』
『お、落ち着いて?座って喋ろうか。ねえ、あまり眉間に皺を寄せないでよ?素敵な顔をしているんだから』
『あ゛あ゛っ?二酸化炭素を生成するのを辞めてくれ。不快だ』
ほぼ全ての恋愛ソーシャル拒否シムの完成です。
(テレビゲームの腕だけは誠実から通行許可が入りました)
かなり昔、チューリップの香り付けしたフラワーアレジメントを贈ったシムが同じ現象に陥っていた記憶を思い出し、今回試すに至ったのですが。
記憶違いかも知れません。
ただ、もし浮気防止に使うのでしたらライブラリーへの保存時は気を付けた方が良さそうです。
送り主の情報が消えると、おそらくウェズリーと同じ誰も愛せないモンスターが誕生する予感があります。
※ 特質ではなく隠しバフの問題だったため、関係ありませんでした(テスト済み)
『喧しい!その気色悪い媚びた目を私に向けるな!!』
『な、なんで……』
懲りずにレンノスケが恋愛ソーシャルをウェズリーに振っていると、何度か喧嘩が発生するようになりました。
天井貫通してますね。
レンノスケは愛の悪影響を感じていて、
本当に苦しんでいます。
何かが近づいてきています…
『ねえ、僕に最初声をかけたのは君だよね?なんでこんなに冷たくするの?僕、何か気に障ることしたなら謝るし、改善する。教えて?』
何度殴られても、どんなに甘い言葉を囁いても
ウェズリーは最初に見せてくれた素敵な笑顔を見せてくれません。
またあの優しい眼差しを見るため、レンノスケは諦めず妥協案を探すことにしました。
ですが、贈った恋心を何度も千切られてしまったからでしょうか。
自分が擦り切れていくような、辛くて悲しい気分になってきました。
『しつこい奴だな!私はオリジナルの命令に沿っただけで、あれは私の本意じゃない。お前は蜃気楼相手に延々と愛を嘯いていただけなんだよ!』
『……オリジナルって……まさか。イツヒコ兄さんのこと?』
日が出てきたこともあり、公園に人気が増えてきます。
二人……主にレンノスケ側の都合で場所を移すことにしました。
もしかすると、育ての親に不都合な話が飛び出すかもしれません。
レンノスケは恋愛において多くの混乱を経験してきました。
もし安全策を取らずにいると、シムは失恋の悲しみで死んでしまうかもしれません。
この悲しい気分が過ぎるまで、拒絶、嫉妬、憂鬱な食事、酷いデートや別れからは距離を置きましょう。
『嘘だって言ってよ!!だって僕は貴方が好きなんだ……嘘であんな優しい目ができる訳がないんだ!』
『できる奴だっている。例えば私だ。今は取り繕う必要がないからしていないってだけだ』
移動後も恋愛ソーシャルを続けると、ついに警戒色の通知が出てきました。
特に専用のコマンドはありません。
今までと同じく、誘惑したり甘い言葉を囁き続けた結果
ヤマタ レンノスケは失恋により死にかけています!
『なんで?なんで応えてくれないんだよ!僕はただ、貴方にまた可愛いって……好きだって言って欲しかっただけなのに!!』
『至ってシンプルな話なんだがなぁ』
『お前の求めている優しい微笑みとかいう奴』
『向けられていたのは前世のお前ってだけだ。転生なんかしなければ、お前はまだオリジナルに愛され続けていたのに。全く……馬鹿な奴だ』
『どう、いう……』
ウェズリーの言葉が全てレイノスケに伝わっていたのか、定かではありません。
『なんたることだ……我が右腕の転生体ではないか!お前はまだ何も思い出していないのか……?』
ですが、心霊好きとして、絶対に歓迎せねばならない存在がすぐ傍に来ていることは分かっていました。
死にかけているのに、どうやってレッドカーペットを敷くつもりなの。
『再びゴーストとしての生を望むか、冥界に還るか……我が元で働くのであれば歓迎するぞ』
ウェズリーは命乞いもしません。
その必要すら感じていないのですから当然でしょう。
ところでここ、エンシャント・ルインなんですか……このプレイヤー、プラフスと同じくシムの出入りが少ない場所だと勘違いしていた模様。
普通にシムが来てる。
『ゴーストになったってことは時間がたっぷりあるってことだろ!寿命を理由に好きなことより、やらなきゃいけないことを優先する必要だってないんだ!』
レンノスケは失恋の悲しみにより死んでしまいました。
ですが、今のところはどうやらそこまで深刻に考えていないようです。
(そう言えば死ぬ前、僕の前世がどうのって声が聞こえた気がする……前世があるの?僕に?)
悲劇の主役は二人いた
『レンノスケ……?その体はいったい……』
『イツヒコ!どういうつもりだ!!なぜコピー体なんかを僕の恋人にしようとした!転生した僕は、僕を愛する君を求めていたのに!』
転生前の記憶を取り戻したレンノスケは、真っ先に前世の伴侶に説明を求めました。
コピー体なんて外見が同じだけの他人でしかありません。そんな存在を宛がわれるなんて、信頼した元伴侶に裏切られたような気分です。
『あの子が私を求めていた?気持ちの悪いことを言わないで下さい!歯が生え揃う前から育てた子を、どうやって恋愛の対象として愛せと言うのです。そんな簡単に思考を切り替えられる訳がないでしょう!』
喋り方や雰囲気から、イツヒコはレンノスケが前世の記憶を取り戻したと察しは付いていました。
そして、おそらく自分のクローン体が問題を起こし、再びレンノスケを死なせてしなったことも。
『私からすれば転生体もクローン体も大差ありません。同じ遺伝子情報と外見を持つ他人です。私は、貴方が私にしようとしたことを行った。それだけですよ』
『なっ……何を言うんだ!僕はこうして記憶があるじゃないか!それでも他人だっていうのか?』
オカルト話を創作物として好むシムと、現実に存在する神秘として崇拝するシム。
両者は似ているようで根本が全く違います。
イツヒコとレンノスケも、似ているようで全く違う価値観を持っていたようでした。
その違いから生じるズレを確認し合わなかったツケが、この悲劇を産んでしまったのでしょう。
『イツヒコ、君がそんなことを言うなんて思わなかったよ……僕はもう、君と一緒には居られそうにいない。お別れしよう。その方がきっと、互いのためだ』
『その、ようですね』
『子供嫌いなのに僕を育ててくれてありがとう。さようなら、イツヒコ兄さん……さようなら、僕の旦那様』
『去り際に、そんなこと言わないで下さいよ……っ離れたくなくなってしまうじゃないですか!貴方が勝手に育ったんです。私に近寄らないようにして、一人でお喋りして……っ』
本当にプレイ中もレンノスケは子ども時代、イマジナリーフレンドを呼び出してイツヒコの機嫌を損ねないよう、別の部屋で遊んでいました。
ティーンに育てば子供嫌いの子供判定がなくなる筈なんですが。
判定がなくなってもイツヒコの表情は虚無でした。
前に育児を任せた子供嫌いとの違いは何なのかしら。
なにはともあれ、レンノスケは慣れしたんだコモレビ山を離れレイブンウッドに居を移しました。
『はぁ……僕の人生もこの恋愛ドラマみたいにハッピーエンドだったら良かったのに……本当に儘ならないな』
これから、大福丸と共に一人と一匹の生活が始まる筈です。
ですが、レンノスケは転生と失恋という二つのビックイベントを経験し、小さな疑問を抱いていました。
真実の恋が一つだけだなんて、いったい誰が言い出したんだろう。と。
『最期に弁明は?』
『ない。私は失敗作のクローン体なんだろ。さっさと処分したらどうだ?』
レンノスケが家を出ていった後、イツヒコは自分のクローン体と対峙していました。
『他人に奪われたくないなら家に閉じ込めときゃ良いのに。我がオリジナル様は馬鹿だな』
『論理感のデータすら受け入れなかった失敗作が何を……そうできれば、どれだけ良いか。生まれて数日しか経っていない、お前には分からないだろうよ』
こうして、失敗作のクローン体ウェズリーは抹消(シムデータを削除)されました。
次回はカテゴリー通り、連続ロマンチスト願望の……ダイジェスト版をお送りします。
サクッと終わってしまったので次回は内容が薄いかもしれません。
失恋死させる方が難しかった……様々な先人の情報を参考にして狙ってみたのですが、本当に手間取りました。
誠実の香りがなかったら無理だったかも知れません。
(とあるデフォシム相手ならワンチャン行けたかもしれないのですが、可能ならデフォシムを自分のトンチキ話に巻き込みたくなかったので、行動に移していません)
そんな訳で連続ロマンチスト願望の前座はこの辺で締めさせていただきます。
また次回、ご来訪頂けますと嬉しいです。
暗く長い話を最後まで読んで下さりありがとうございました!

烏ガラスのWavebox👋
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