シムの一人語り調も試したくなったので、挑戦してみました。
若いエイリアンが敬愛する両親像
俺の名はレイ・カラマ。見ての通りティーンのエイリアンだ。
天才的な頭脳を持ってしまったがゆえにベジタリアンにもなった。
本物の天才は自称しないって?この優秀な頭脳は遺伝なんだ。尊敬する父から受け継いだ知能を誇って何が悪いの?
俺が尊敬する天才の父というのは緑の肌と眼鏡がイケてるエイリアンシム、アルゴル。
色々なことを教えてくれるけど、父さん自身のことはあまり教えてくれないんだ。
俺を産んだのはアルゴル父さんであること、そしていつか母星に帰るために宇宙飛行士として働いていること。
俺が知っているのはそれくらい。
あと知っていることと言えば……ケアヒ父さんと俺のことが大好きってことくらいかな。
ケアヒ父さんはこっち。え?爺ちゃんの写真が出てるって?違うよ、俺の父さんだって。
父さん達、今もアツアツなんだよ……思春期のシムに少しはハイリョして欲しいよね。あーあ、いつ俺には素敵なシムが現れるのかな。
ちなみに俺の偽装体はこれ。
どうかな?結構イケメンに作れたと思うんだよね。自分で言うなって?
父さん二人にいっぱい愛されて育ったからね。俺って自尊心マックスなんだ。自信家だって自称する準備はできてるけど、工作も好きだから工作好きも名乗りたいなぁ……
時は遡って今に至るまでの話をしよう
───某日、スラニ島、ムア・ペラムの活火山付近
『やれやれ。あの衝撃の原因は一体なんだったんだ?メインシステムは……ダメだな。外部端子なら動くようだ。さて此処の座標は……』
『スラニの……ムア・ペラムか……スラニ?』
『なるほど、なるほど。シグザムにはない景観だ。うむ。海と海と……海しかないな』
(どうやって帰れば良いんだ……!!緊急応援も出せない状態なんだぞ!)
私の名前は下級諜報員アルゴル。
天才、外交的、工作好き。そして──遊び人だ。
この日は母体に適した個体調査のため、母星シグザムを離れ偵察任務に赴いていた。しかし、今はこの通り。
帰路を絶たれた現状を飲み込めず、意味もなく現在地を調べ、項垂れているところだ。
帰るための機体はメタメタ。(おそらく)噴石の衝撃で貯蔵ポットが壊れ、冷却保存されていた故郷の植物が急成長までしている……環境破壊?
文句なら諸君らの星に根ざした火山に言ってくれ。
だが、天才的な頭脳を持つ私は思考の切り替えも得意だった。まずは動ける内に食料など物資の調達。遭難時の鉄板だろう。
しかし、なんなのだ?このサイケな色の魚は。
まあ毒の心配はないだろう。我々の体はこの星の魚類由来の毒素に耐性があるからな……舌に合う味をしているかは分からんが。
なにより今はレーション以外の食料を口に入れたいのだ。
ああいった保存食の類はメンタルがグズグズな時に食べるべきではない。こういう時こそ火を通した料理を食べるべきだろう。
幸いにも私は釣りと料理が得意だ。特に料理は良い。生産的な活動ほど有意義な時間の使い方はないだろう。
釣りをした夜のことだ。
寄せ集めの家具と木材で雨風をしのげる家を建て、寝ようとしたら青白い光球とゴーストがワラワラと出て来た。
なんだこの島は!活火山だけでなく霊障?呪われているのではないか?
(チャレンジ区画、活発な火山活動/島の古霊。スラニの古霊を呼び出すため、一時的にアルゴルに「島の子ども」特質を追加しています)
いや、その呪われた地に漂流した私こそ呪われているのか?!……すまない。混乱し過ぎて非科学的なことを考えてしまったな。
だが、その非科学的な事象に興味がないと言えば嘘になるな。
スラニの古霊とその子孫のみが宿すという「スラニのマナ」。これらの研究はまだ進んでいないのだ。
古霊どもを持ち帰る技術はないが、「子孫」であれば話は別だ。
かつての失態で子を作れなくなった時、勝手に子を宿せる体に施術した医師を訴えたのだが。
どうやら帰還後、あの医師に謝罪をせねばならないようだ。
冒険好きじゃないかって?もちろんだ。常に同じ情報ばかり取り込んだら頭脳が退屈してしまうからな。
島の古霊達から、私と生殖行為が可能な個体だけ世帯に迎え入れることに成功した。
彼の名前はケアヒ・カラマ。
島の子どもであり、海の子。そしてアウトドア好き……だそうだ。スラニという島に縛られるために産まれたようなシムだな。
シニアを何度も活動的な行動に誘うのは気が引ける。
せっかく蘇生してくれたところを再びゴーストに戻してしまう恐れがあるからな。一発で子を成せれば良いのだが。
一発で子ができたんだが?
素晴らしく活きの良い子種を持っているシムだったのか(下品)。強いな古霊。
興奮のあまり、私は古霊(元)に自律でビッグニュースを伝えに行ってしまった。
断じて我々はホットは関係などではない。どちらかと言うとビジネスライクな関係の筈だ。
彼だって今夜初めて会った異星人に子作りを求められ、断っては何をされるか分からない恐ろしさから仕方なく付き合った。
それだけの関係な筈だ。
しかし新鮮な食材が多いのは素晴らしい。腹の子も喜んでいることだろう。
ああ。これは私の擬態した姿だ。スラニの住人らしく日に焼けた肌と黒髪を再現してみたがどうだろうか。
海に隔てられているというのにこの辺りは客が多く、食事中でも擬態を解くことができずにいた。しかもマナーがなっていない客ばかり……植物の肥料にでもしてしまおうか。
ケアヒに私の腹を撫でることを望まれた。
随分と大きくなったが、いまだ故郷に帰る手段が見つからない。
もうすぐ臨月だ。腹の子を所持品として持ち帰ることは不可能だろう。
断じて私の判断に愛などと言う、思考の偏りは含まれていない。その筈だ。私は、ケアヒにも腹の子にも、情を抱いていない。
冷徹な諜報員にそのような感情は無用だからな。
出産の日が来たが……おい待て!それは私の子ではない。心臓だ!!誰かシグザム星出身の優秀な医師を連れて来てくれ!!!
どうやら訂正しなければいけないようだ。
私は腕の中の子を愛おしいと感じている。
思わず終わりのない幸福を願って「レイ」と名付けてしまう程、思考が偏っている。ところでケアヒ、お前は今になってパニックになっているのか?出産は終わったぞ。
まったく可愛い奴だな。
私が育児に勤しんでいる間、ケアヒが上級播種技術者の誘拐に遭っていたらしい。
彼は私の獲物だ。勝手は許せん!そもそも子どもは一人で既に手一杯なんだぞ!増やさないでくれ!!
(アブダクションを無効化するMODを入れていたのですが、なぜか攫われてしまいました。その後、試しにMCCでもアブダクションを無効化。今のところ二度目の誘拐は起きていません)
子どもの成長というのは本当に早いな。
物を掴むこともできなかった我が子が今やオモチャで遊んでいる……レイ、それは本当にオモチャなのか?
つい少し前まで首が座らず上半身を持ち上げることすら不可能だったのに。
いまや捕まり立ちまでできるように育った。速すぎないか?
待ってくれ。私は君の成長速度に追いついていないんだ。
ははは。流石私とケアヒの子だな。衣装の好みも流行の最先端だ!未来的すぎて私には理解ができそうにない。解像度を我々基準にチューニングさせてもらうとしよう。
なんだケアヒ、文句があるのか?お前はこの服の良さが分かるシムというカテゴライズになるぞ。
それとも私がレイに未来的過ぎる衣装を着せたと?酷い誤解だ。
我々の解像度にチューニングされたレイだ。可愛いだろう?
だがケアヒよ、なぜカード遊びを外でやるんだ?アウトドア好きが過ぎるだろう。
どうやらレイは想像力が爆発してしまったようだ。
ペンキを砂浜にこぼしちゃいけない。それは芸術ではない。ただの破壊行動だ。なにより塗料が君の口に入ったらどうするつもりだ?
だが私の子は賢いからな。冷静にダメなことはダメだと説明すれば理解できるんだ。軽率に声を荒げる必要なんてない。
ただ、外で軽率に偽装を解かないように習慣を付けてもらわないといけないな。
困るのはレイ本人だ。
レイとの意思疎通に困っていたのはほんの僅かな間だった。いつの間にかしっかりとした言葉を喋り、自分の足で走り回れるようにまで育っていた。
私の天才的な頭脳も引き継いだようで、日に日に賢く育っている。
その天才的な頭脳はパジャマパーティーでも発揮された。
最小限のコストパフォーマンスで、私に最も衝撃を与えるいたずらを導き出したようだ……。
あの子の小さな頭脳の中で、どのような計算式が組まれていたのだろう。
『水?!スコールか!!』
思わずそう叫んで飛び起きてしまった。隣で寝ていたマテオ(遥々タルトサからパジャマパーティーに参加)も私の声に驚いたのだろう。飛び起きていた。
『あははは!今日の天気はずっと晴れだって言ったのはアグラムとうさんだよ!』
私相手にイタズラが成功し、大層面白くなったらしいレイはご機嫌に笑っていた。寝起きの頭でスコール被害の例と対策を羅列していた私の心境など、想像できないようだ。
『予報はあくまで予報だ外れることもある。過信は禁物だぞ』
だが、それでいい。
私の心配などお前は知らなくて良いんだ。そのまま伸び伸びと育て。
しかし腹は立った。自力で予報ができるように課題を増やしてやろう。
まあ私に似て、勉学に楽しみを見出すレイなら新しい玩具が増えたと喜ぶだろうさ。
レイは座学だけでなくフィールドワークも楽しんでいる。良い傾向だな。スラニの大自然に触れ、魚釣りやカエル探しで遊んでいた。
『アグラムとうさん。魚と人魚の違いってなに?』
これはまた面白い発想だな。人魚は元々この星のシムだ。魚とは起源から違うぞ。
『でも海を泳ぐケアヒとうさんはお魚みたいなんだ。おれは違う存在にみえないよ』
『そうだな。確かに遠くから人魚姿を見ると……大きな魚みたいだ。だが、ケアヒが魚だとお前は生まれなかったぞ?』
魚を傷付けることを悲しむケアヒに見つからないよう、彼が泳ぎに行っている間にレイを釣りに連れ出す計画は失敗だったようだ。
幼く多感な心と、賢い頭は思考を激しく飛躍させてしまったらしい。
だが、異なる存在であることはしっかり覚えてもらわねばいけない。
いかに魚と人魚が遠い存在なのか、ケアヒが魚を傷付けたくない理由は別にあることなど。
子どものレイでも分かるよう私は冷静に説明した。
『でも、おれはもうお魚とケアヒとうさんの違いが分からないよ……おれが釣っちゃったお魚、お父さんだったのかな?お母さんだったのかな?……赤ちゃん、泣いてないかな』
どんなに私が言葉を連ねようと、一度強い衝撃を受けたレイの頭脳は新しい情報を受け付けなくなっていたらしい。
これ以上の議論は彼の意見を否定することになる。私は肯定も否定もしないことにした。
『今日の魚釣りは終わりにしよう。代わりに自転車の乗り方を練習してみないか?』
今日の経験で彼がベジタリアンに育っても個性の内だろう。ベジタリアンで何が悪い。私は受け入れるさ。
ただ、栄養の偏りが起きないレシピを考えねばならない未来を考えると……正直、頭痛がしそうだ。
私の不安は確定した。天才にはこういう経験が多いんだ。慣れている。慣れているとも……。
ティーンに成長した彼は、魚肉どころか生物由来の食材そのものを拒絶するベジタリアンに成長したのだ。自家栽培している植物に豆類を増やさねばならないな。
『私はお前が健康で、幸せならどんな成長をしても嬉しいんだよ』
照れ臭そうに両手をぶらつかせつつも、親の抱擁を受け入れる子に育ってくれて私は嬉しいよ。
いつか私はお前たちを置いて母星に帰らねばならない。自由な身であればスラニの海に還ることもできただろが、組織に身を置いている都合上、そうはいかないのだ。
だから頼む。お願いだ。
短い間でも良い。少しでも多く、我が子との想い出を求める身勝手を許してくれ。
───私が人生を狂わせたシムの中にも、同じことを願った者が居たのだろうか?
シムの一人語り調は……多分、毎回は続けません。表現の限界があって難しいですね。
読んで下さりありがとうございました!










































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