これは少年の願いが叶った後の物語。
──老人の肖像画が、家族の肖像画に戻るまでの後日譚
(当社比)最も妖精らしくない妖精
さて、前世の記憶を取り戻したウィル坊や。いえ……もうウィルですね。
知らぬ存ぜぬ可愛いウィル坊やの振りをして煙に巻くしかないでしょう。
ウィル「……ごめんブラム。僕、間違って転生したみたいなんだ(ブラムお爺ちゃんおかえり。変な顔してどうしたの?)」
そのつもりで口を開いたのです。
ですが、ブラムじいちゃんに育てられたウィル坊やとしての記憶が、大好きな爺ちゃんに嘘をつくことを激しく拒みました。ブラムの顔を見ると用意しておいた「ウィル坊や」の台詞を押しのけて本音がツルっとこぼれていたのです。
2人のウィルの記憶が混ざった弊害ですね。ブラムへの好意もカフェオレのミルクと珈琲のように混ざっています。
ウィル「……あと、そのー……ひさしぶり?だね。髪、染めたんだ。似合ってる、よ?」
ブラム「……どういうことか、最初から説明してもらっていいか?」
おそらく自分は怒りたい状況だと思われるが、なにがどうなっているのか分からない。正当ない理由で怒りたいから説明してくれ。
ブラムはそう思いました。このせっかち、理路整然とキレようとしている。
ブラム「……つまり、転生するつもりはなかったのに転生していたと?そんなことあんのかよ」
ウィル「あるから僕はここにいるんだよ。僕も冥界に旅立とうとしたんだ……なのに気が付いたら鏡を見ていて、君に育てられた記憶まで混ざり込んで。混乱しそう!」
ブラム「俺も混乱しそうなんだが?」
ブラム(玄関を開けた時、ウィルJrをウィルだと錯覚した自分を殴りたくなったが……俺はこいつをウィルだと思っていいってことだよな。俺は……もう、待たなくていいんだよな?)
ファーザーウィンターに喧嘩を売り、ノームをサッカーボール代わりに蹴っておいて道徳を語るか。
ウィル「僕のことは許さなくていいんだ。でも、育ててくれた恩返しができるまでで良いから……まだ、この家に置いてもらっても構わないかな?育児のために奪った時間を返すことはできないけど、ウィルJrを育てるのに使われたシムオリオンを稼いで返せるようになりたいんだ」
ブラム「死んだ後もドジる不器用のくせにシリアスぶってんじゃねえよ!アホウィル!許す訳ねえだろ!!とっとと育って俺と結婚して責任をとりやがれ!!」
ウィル「……っ君は馬鹿だ!!あんなに傷付いていたくせに。ウィルJrの前でも泣きそうな顔をしていたくせに!結婚できるようになるまで育つからちゃんと待っていてよね!!」
という訳で。
ウィルが項垂れているように見えますがダンスをしているだけです。別にいちゃいちゃする相手が居なくて悲しい訳ではない……そう思いたいところ。
なんと
ブラムに
指示が通りました
お前ほど器用なシムはいないだろう
ブラム「まあそうだな……私はお前ほど器用にカップを割れそうにない(ウィルJrみたいなことを言いやがる。記憶っつーか自我が混ざってんのか?)」
ウィル「へへへ」
ところでブラム爺さん、また勝手にネクターを飲んでいますね?吐いても知りませんよ。
ブラム「だから私より器用になってくれ(器用さスキルを指導する)」
ウィル「そういう意味じゃなかったんだけどな。ノコギリの使い方も忘れているから助かるよ」
転生したシムは転生前と同じシムなのか。
関係性は元に戻せても、自律行動に差があるように感じます。ウィルとウィルJrの場合はオカルトを変えた影響もあるでしょう。妖精はジョークソーシャルが好きですからねぇ……。
ウィル(『前』はブラムも一緒に通えたのに……新しい友人を作ろう。高校で1人は寂しいよ)
ブラムへの片思いを隠さなくていい代わり、今は1人で通わないといけません。友人が作れても、自分を引っ張ってくれた幼馴染の欠けた高校生活は少し寂しく感じました。
しかしブラム爺さんは本当に器用ですね。
ソファ越しにテレビを見ている様です。そんな低い位置からテレビ画面が見えているんですか?
体調を崩した?じゃあ体を鍛えよう(脳筋なため)
ウィルに健康スキルも上げてもらおうとスパに来たところ、ブラムが瞑想中に冬の父を許すことにしたそうです。少しだけ赤い友好度が減っていました。これはブラムが許しても冬の父が許していませんね。当然だと思います。
ただ、ブラムにはもう1人許した方が良いかもしれない相手がすぐ隣に居ますよ。エルリックさんとも友好ゲージが真っ赤なんです。隣に居たのに一度も会話をしていませんでした。
ウィル「ツリー、保管してくれたんだね」
ブラム「一度、捨てようとしたんだけどな……子どもはこういうの好きだろ」
ウィル「ああ、そっか……僕も好きだから、また君と飾れて嬉しいよ」
ウィル(あっ……)
なんだかんだしていたら時間は21時。ツリーの奥にウィルは丁度昨日、瞑想中にブラムが思い出したシムの姿を見つけました。
ファーザーウィンター(秘密結社ファーザーウィンターの1人)です。
毎年来てはブラムのサンドバックになり、ぼんやりしたまま去っていく……このシリーズ最大の被害者かもしれません。
過去の被害履歴→第一戦 、第二戦、第三戦 ……まとめたら予想以上に被害受けていました。
ウィル(もう、モンタギュー家をブラックリストに入れれば良いのに……)
ブラム「許さねぇならプレゼント置いていけやぁぁ!!」
冬の父「許すわけないだろう!!イッアイタタッ……だから髭を引っ張るんじゃあない!!!」
勝手に短気な脳筋を辞めるなんてプレイヤーも許しません。
なんのための筋肉量99、なんのためのアクティブ気質なんですか。ブラム、お前は今後も脳筋吸血鬼を続けるのです。
ウィル(なんでだろう。前はあんなに格好良く見えたのに……今は仲良くしてくれないのが悲しいし、怖い)
以前は喧嘩する様子を興味深そうに眺めつつ、ブラムが勝てばガッツポーズをして喜んでいたウィル。ですが、今は怯えたような態度を取っていました。
ブラム「ふん。レンジか……まあ良いだろう」
冬の父「アイタタタ……お前さん、いつまでその横暴な態度を貫くつもりだ?」
ブラム「さあな。今年は私はあんたを許そうとしたのにお前が許さなかった。それに腹が立っただけだ」
ウィル「ねぇ……もう喧嘩しないでよ……」
ウィル「プレゼントの宅配お疲れ様です。うちのブラムがすみません……」
冬の父「宅配ではないんだが……はて?前にもこんなやりとりをした気がするんだがのう」
ウィル「もう喧嘩なんてやめなよブラム。君はもう若くないんだよ?見ていて怪我をしないか気が気でなかったんだから!」
ブラム「……前は応援してやがったの誰だよ」
ウィル「ジュニアに『なるべくシムと仲良くしろよ。じゃないと困った時に助けてもらえないぞ』って教えたのは誰?」
ブラム「はぁ……今後は気を付けるよ」
スクランブルエッグみたいにぐちゃぐちゃな情緒
ウィル(あっしまった……ああ~チャット欄も荒れ出しちゃったよ)
ウィル(エイム精度を上げるのに集中し過ぎて警戒が疎かになっていたのが敗因だね。次は視野をもっと広げた方が良い……チャット欄への対応も他の配信者を参考に要改善と。うん。文字に変えると気持ちが整理できて良いな)
お小遣いの稼ぎ方は時代を先取りしていますが心の整理手段がアナログな件。そう言えばウィルは前世でコンピューター名人になっていました。デジタル媒体の脆弱性を理解しているのかもしれません。
ブラム「日記を書いているのか?日課にするなんて偉いじゃないか」
子どもの行動は必ず褒めて伸ばすのが日課になっているブラム爺さんがログインしました。
ウィル「あのさ……僕は確かにウィルJrだけど、君の恋人でもあるんだよブラム。だからその……なんていうか、子ども扱いされると……気まずいんだ。注文が多くてごめん」
ブラム「いや……俺もつい癖で保護者の顔をしたが、何か間違えたような気分になったところだ。なんというか。難しいもんだな」
ウィル(ブラムまた胸が大きくなってない……?ていうかなんであんなに胸元を開いているのさ?!)
ウィル(僕の体がティーンだってことを思い出してよ!ウフフ経験(知識のみ)があるティーンなんだよ!?やりたい盛りなんだ!若い体にその姿は刺激的すぎだって!!)
ウィル「そのジャージ……」
ブラム「ん?ああ。買った時はサイズが丁度良かったんだけどよ。気が付いたらチャックが閉まらなくなってな………ダサいか?」
ウィル「へ、へえ……だ、ダサくはない、よ……(閉まらなくなるまで育ったの?!またムラムラしてきた。これだから若い体は!!)」









































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